[3月19日12時12分更新]
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人間の盾」漂う無力感、「抑止力」に疑問
米国などによる対イラク武力行使が秒読み段階に入る中、イラクに滞在し、「人間の盾」となって戦争回避を訴えようとする日本の市民団体の関係者ら7人前後が、「最後通告」期限の20日、イラクに向けて出発する意向を示している。
しかし、現地では、参加者の受け入れ先だったNGO(民間活動団体)が機能しなくなっており、外務省邦人保護課は「いま入国するのは自殺行為」と引き止めに懸命。かつて「盾」になった経験を持つ人たちの一部からも、疑問の声が上がり始めている。
外務省などによると、「人間の盾」の活動は1991年の湾岸戦争時に、イラクのフセイン大統領が外国人を「人質」としたことがきっかけとなり、欧米の平和運動家らが戦争回避の方法として取り入れた。日本人が「盾」としてイラクに入国するようになったのは昨年12月ごろからで、ピーク時の今年2月には120人が滞在した。フリージャーナリストや平和運動の活動家、学生などが多い。
現在、イラク国内にいる日本人5、6人は、在イラク大使館員らの退去要請を何度も断り、開戦しても滞在を続ける見込みだ。20日に出発する参加者たちも「戦争の抑止力になる可能性がある限りとどまりたい」(30歳代の男性)などと話しており、退去しない方針とみられる。
だが、当初は「人間の盾」を手厚く保護していたイラク政府は、開戦に向けた緊迫度が高まるにつれ、態度を変化させている。約20か国からの「盾」の参加者数百人を管理してきた
国際的市民団体「HUMAN SHIELDS(人間の盾)」の主要メンバー5人が、8日までにイラク政府から国外退去処分を受け、まとめ役を失った現在は、参加者がバラバラに活動している状態という。
こうしたことから、外務省は「参加者の多くは
英語すら不自由で、自分に危険が差し迫っても分からないのではないか」と危機感を強めている。
「盾」としてイラクに滞在し、今月10日に帰国した神戸市のNPO職員吉村誠司さん(37)は「現在は組織的な活動ができていない。このままではイラク政府に人質として利用されるだけだ」と指摘する。また、別の30歳代の男性も「この方法では戦争は止められないと感じた」と語っている。(読売新聞)
[3月19日9時12分更新]